Eurogamer: バルブを開放せよ - その2(6/8)
【Opening the Valve】
Eurogamerは前回のインタビューに引き続き、Valveの開発者達に対してさらなるゲームデザインの話を聞くことができた。
HL2の時点から、ゲーム性をどのように進めたかったのか
Robin Walker: EP1では我々は、HL2で採り入れた各ゲーム性から着手をし始めた。我々が得たユーザの意見により、彼らが何を好み、何を好まないのかなどを既に把握していたからだ。
彼らがHL2で好まなかったものとは
Robin Walker: ゲーム進行のペースに多少問題があったと我々は考えている。例えば、ある程度の人間はエアボートのシーンが長すぎると感じていたので、我々はEP1全体を通して、ペースについて細心の注意を払った。我々は探索、戦闘シーン、謎解き、視覚的なご褒美やその類といったもののような、異なる種類の手段を用いている。EP1では、プレイヤーが戦闘のし過ぎやその類により疲れすぎないといった点で、我々はゲーム進行のペースが崩れないよう多大な時間をかけた。そうすることでゲームを面白くしたまま、どの場面でも何かしら新しいものを感じさせるわけだ。 HL2は6本入りゲームのごとく多様さを感じさせたが、EP1でも同様の方法を採ろうとしたのか
Robin Walker: EP1で最もよいことといえば実際のところ、既に前作にあったものからさらに上を目指し注力でき、時間当たりでさらに多くのゲーム性を詰め、より高密度の体験を提供できるところにある。あなたは先ほど物理法則を用いたゲーム性について尋ねたが、我々は2つの異なる方法でエピソード全体を通してさらに進化させた。ひとつは環境に対する相互性を高めたこと、そして物理に伴うより大きな問題に対処したことだ。エレベータで長い垂直空間を下っていくにつれ巨大な物体があなたの上に落ちてきて、それをどうエレベータに寄せ付けないようにするのか、といったような際に生じる問題に対してだ。
それから我々は、いつもとは別のことを行った。物理の相互性をモンスターやNPCにまで広げたということだ。例えば、ゾンバインはあなたに近寄り、爆発寸前のグレネードを取り出すが、我々は今までグラビティガンによるNPCとの相互性を持たせていたわけではなかったので、彼の手からグレネードを取り上げるか撃ち落すかをどうしてもさせたかった…
Gabe Newell: 狙いをつけられればの話だけどね。
それなら私はできない…
Robin Walker: NPCに対してより深い方法でグラビティガンを作用させるというのは、非常に刺激的なことだ。
HL2にはなかった武器の使い方をどのように納得させたのか
Robin Walker: 我々はトレーニングに多大な時間をかけた。自分がここにとどまるためには絶対に必要であるという特定の体験を作り上げるようなものなので、我々はそういった類の体験をエピソードへと組み込んだ。現時点でできることはこれだけだ、と認識させる場所へとプレイヤーを配置させる。ゲーム性の要素というものは、非常に意図的に紹介されるものでなくてはならない。
Gabe Newell: これはプレイテストを通じて分かる重要な物事のひとつであり、もしそれができることであっても80%の人間が分からなければ、恐らくそれはデザイン上の欠陥である。強引というわけではないが、もっとも無茶な例が、グレネードが見えるようゾンバインの手に穴を開けるということである。すぐさま理解するようになるだろう。「ああ、アレを何とかしなくちゃ!」と。つまり、あなたなら絶対にしないようなことでも、これがゲームのその時点で新たな選択肢が増えたと理解させるために使う、一種の取り組み方なのだ。
Erik Johnson: Dogとグラビティガンでキャッチボールをすることが、全ゲームを通して如何に大事かである理由だ。
Robin Walker: HL2を振り返れば、多くのトレーニングが新たなゲーム性の要素を学ぶであろうと同時に、世界の何かについて教えてくれるであろうキャラクタついて、またあなたと関りあうキャラクタとの間の利害関係について学ぶようになっている。例えば缶をつまみ上げるよう指示する警官の場面では、Useキーを使ってほしいだけではなく、同時にメトロコップとプレイヤーとの関係について、また彼らの市民の扱い方について学ぶようになっている。また同時にこのキャラクタへの憎悪を持たせることで、武器を手に入れた際にうまく対処できるようになる、等々。我々のトレーニングはゲームの全てを通して存在するが、同時に複数のことを行うことで実際の意図を非常にうまく隠しているのだ。
HL2のCoastなどで、寄り道で廃墟を調べても何もない。探索に対する報酬として、より詳細な物語の背景などを提供してはどうか。
Gabe Newell: 我々が試みていることは、可能な限り人々にもてなしを行うことである。私がWarren Spectorと交わす議論にこんなものがある。彼は6回違ったプレイをできるゲームを作る。人々はゲームのためにお金を払うが、残りの6分の5はプレイしないということになる。それは違うのではないかと私は感じている。大抵のプレイヤーが絶対にまずほとんど見ることのないものに対して開発する時間をかけるが、我々はそれを最大限に広げる試みをしていると私は感じている…つまり、探索の動機付けということは理解できるし、それは重要な部分であるから、我々は人々がそれを行うことを楽しめるよう試みている。解説、探索、戦闘などは我々が確実にする事項ではあるが、もし、ユーザの1%しかそのクールな出来事を見ることができず、開発費に5%かかるのであれば、それはよいリソースの使い方ではない。
Robin Walker: プレイテストではそのことによく遭遇する。プレイテストを見ていると、何かしらとてつもなくクールな出来事を目にすることがよくある。どのようにすれば全てのユーザが確実にそれを見られるようになるのだろうか。「ガンシップを撃ち落したら自分のすぐ近くに墜落してきたので、それを避けようと横に飛びのいたんだ。ありゃすげークールな出来事だった」と、彼らは言う。でもどうすれば、ほぼ全員がその体験をできるようになるのだろうか。
数多くのハリウッド的な体験を目指したということか
Erik Johnson: 我々は数多くの楽しめる恐怖を入れてきた、間違いなく。至る所で大絶叫だ。
故意に怖くしたということか
Erik Johnson: 人によるんじゃないかと思う。中にはとても怖いと感じる人もいる。
Doug Lombardi: しばらく暗闇の中に置かれるという部分がゲームにはある。そのようなゾクゾクする要素は、HL2やHL1にはなかったのではないかと私は思う。
Gabe Newell: 彼らがプレイ中に叫び声をあげるんだ。分かるかい、それは我々にとって道理に合った目標なんだよ(みんなに爆笑するよう指示する)。
Robin Walker: ある意味では、自分の周りにAlyxを居させることでこの機会を、そしてこの協力プレイ(Co-op)を得ることができたと思う。苦境に立たされ、また仲間のその反応を見ることで生じる数多くの面白みのある、男同士の友情を描いた映画(buddy movie)にほぼ似た体験ということだ。少し違うがね。RavenholmをAlyxと共に行動していれば、彼女なしの場合とはまた違った体験になっただろう。そこを通過する際、「Alyxなしでは、なしえなかった」と思えるような体験を築こうと我々は試みたのだ。
EP1ではどこのことか、具体例を
Robin Walker: そのよい例が、真っ暗闇のエリアにいる際のフラッシュライトの使用である。実際、フラッシュライトなしでは何も見えないほど完全な暗闇である場所をプレイヤーに通過させたことは、これまでも初の試みだ。そしてもちろんのこと、Alyxも同様何も見えないので、彼女に敵の居場所を知らせるあなたの使うフラッシュライトを頼りにすることになる。と同時に、あなたは手持ちの弾薬が少ないので、敵のある程度に対して彼女を頼ることになる。
こうしたAlyxとのごく自然なやりとりは、本当のところ暗闇についてではなく、協力プレイについてのことなのだ。我々がどのようにして暗闇の場所を作るのかが目的なのではなく、どうやってそこそこ興味深い方法でAlyxとかかわりを持てるようにするのか、またどうやってお互いを頼れるような状態にできるのか、ということだ。
Gabe Newell: その後のゲームでは、彼女を役立たそうとすればするほど一緒にいることが楽しくなるので、我々は絶対に彼女に頼らなければならない状況下にあなたを置き、実際に有能な仲間であると理解させる。そうした過程を経ることで、残りのゲームがもっと楽しくなるのだ。
今回は誰が物語を書いたのか
Gabe Newell: デザイン決定は、Robinやごく普通の社員からなる共同作業によるところが大きいが、それで満足している。「誰がリードデザイナーなのか」とか「誰がリードプログラマーなのか」と聞く人間がいて、「なんだって?」のようになるからだ…
Valveでは何人が働いてきたか
Gabe Newell: 104だ…我々は非常に選り好みをする。基本的にHL1を作った者たちはまだ全員がいるし、人選は難しいものだ。我々は全世界を飛び回り、自分たちに合う人間を探さなくてはならない。我々の共同作業による試みでは、そうした類の個性や技量に頼ることが殆どだ。それによる良いことといえば、我々に合うデザインを行う人員を持てるということ、悪いことといえば、ただ外に出て行って50人を雇い、「もっと作れ!」とやれないことだ。最終的にその中の48人を解雇し、また最初から始めることになるからだ。
今回なしてきた役割を例えるなら
Gabe Newell: 分からない…。チアリーダー、ぼやき屋、プレイテスター。一体全体どうしてこんなにも遅れるんだ?(笑) デュアルSLI搭載の水冷式AMD-FX63と、30インチのモニターを使ったテスターさ!
Eurogamerは前回のインタビューに引き続き、Valveの開発者達に対してさらなるゲームデザインの話を聞くことができた。
HL2の時点から、ゲーム性をどのように進めたかったのか
Robin Walker: EP1では我々は、HL2で採り入れた各ゲーム性から着手をし始めた。我々が得たユーザの意見により、彼らが何を好み、何を好まないのかなどを既に把握していたからだ。
彼らがHL2で好まなかったものとは
Robin Walker: ゲーム進行のペースに多少問題があったと我々は考えている。例えば、ある程度の人間はエアボートのシーンが長すぎると感じていたので、我々はEP1全体を通して、ペースについて細心の注意を払った。我々は探索、戦闘シーン、謎解き、視覚的なご褒美やその類といったもののような、異なる種類の手段を用いている。EP1では、プレイヤーが戦闘のし過ぎやその類により疲れすぎないといった点で、我々はゲーム進行のペースが崩れないよう多大な時間をかけた。そうすることでゲームを面白くしたまま、どの場面でも何かしら新しいものを感じさせるわけだ。 HL2は6本入りゲームのごとく多様さを感じさせたが、EP1でも同様の方法を採ろうとしたのか
Robin Walker: EP1で最もよいことといえば実際のところ、既に前作にあったものからさらに上を目指し注力でき、時間当たりでさらに多くのゲーム性を詰め、より高密度の体験を提供できるところにある。あなたは先ほど物理法則を用いたゲーム性について尋ねたが、我々は2つの異なる方法でエピソード全体を通してさらに進化させた。ひとつは環境に対する相互性を高めたこと、そして物理に伴うより大きな問題に対処したことだ。エレベータで長い垂直空間を下っていくにつれ巨大な物体があなたの上に落ちてきて、それをどうエレベータに寄せ付けないようにするのか、といったような際に生じる問題に対してだ。
それから我々は、いつもとは別のことを行った。物理の相互性をモンスターやNPCにまで広げたということだ。例えば、ゾンバインはあなたに近寄り、爆発寸前のグレネードを取り出すが、我々は今までグラビティガンによるNPCとの相互性を持たせていたわけではなかったので、彼の手からグレネードを取り上げるか撃ち落すかをどうしてもさせたかった…
Gabe Newell: 狙いをつけられればの話だけどね。
それなら私はできない…
Robin Walker: NPCに対してより深い方法でグラビティガンを作用させるというのは、非常に刺激的なことだ。
HL2にはなかった武器の使い方をどのように納得させたのか
Robin Walker: 我々はトレーニングに多大な時間をかけた。自分がここにとどまるためには絶対に必要であるという特定の体験を作り上げるようなものなので、我々はそういった類の体験をエピソードへと組み込んだ。現時点でできることはこれだけだ、と認識させる場所へとプレイヤーを配置させる。ゲーム性の要素というものは、非常に意図的に紹介されるものでなくてはならない。
Gabe Newell: これはプレイテストを通じて分かる重要な物事のひとつであり、もしそれができることであっても80%の人間が分からなければ、恐らくそれはデザイン上の欠陥である。強引というわけではないが、もっとも無茶な例が、グレネードが見えるようゾンバインの手に穴を開けるということである。すぐさま理解するようになるだろう。「ああ、アレを何とかしなくちゃ!」と。つまり、あなたなら絶対にしないようなことでも、これがゲームのその時点で新たな選択肢が増えたと理解させるために使う、一種の取り組み方なのだ。
Erik Johnson: Dogとグラビティガンでキャッチボールをすることが、全ゲームを通して如何に大事かである理由だ。
Robin Walker: HL2を振り返れば、多くのトレーニングが新たなゲーム性の要素を学ぶであろうと同時に、世界の何かについて教えてくれるであろうキャラクタついて、またあなたと関りあうキャラクタとの間の利害関係について学ぶようになっている。例えば缶をつまみ上げるよう指示する警官の場面では、Useキーを使ってほしいだけではなく、同時にメトロコップとプレイヤーとの関係について、また彼らの市民の扱い方について学ぶようになっている。また同時にこのキャラクタへの憎悪を持たせることで、武器を手に入れた際にうまく対処できるようになる、等々。我々のトレーニングはゲームの全てを通して存在するが、同時に複数のことを行うことで実際の意図を非常にうまく隠しているのだ。
HL2のCoastなどで、寄り道で廃墟を調べても何もない。探索に対する報酬として、より詳細な物語の背景などを提供してはどうか。
Gabe Newell: 我々が試みていることは、可能な限り人々にもてなしを行うことである。私がWarren Spectorと交わす議論にこんなものがある。彼は6回違ったプレイをできるゲームを作る。人々はゲームのためにお金を払うが、残りの6分の5はプレイしないということになる。それは違うのではないかと私は感じている。大抵のプレイヤーが絶対にまずほとんど見ることのないものに対して開発する時間をかけるが、我々はそれを最大限に広げる試みをしていると私は感じている…つまり、探索の動機付けということは理解できるし、それは重要な部分であるから、我々は人々がそれを行うことを楽しめるよう試みている。解説、探索、戦闘などは我々が確実にする事項ではあるが、もし、ユーザの1%しかそのクールな出来事を見ることができず、開発費に5%かかるのであれば、それはよいリソースの使い方ではない。
Robin Walker: プレイテストではそのことによく遭遇する。プレイテストを見ていると、何かしらとてつもなくクールな出来事を目にすることがよくある。どのようにすれば全てのユーザが確実にそれを見られるようになるのだろうか。「ガンシップを撃ち落したら自分のすぐ近くに墜落してきたので、それを避けようと横に飛びのいたんだ。ありゃすげークールな出来事だった」と、彼らは言う。でもどうすれば、ほぼ全員がその体験をできるようになるのだろうか。
数多くのハリウッド的な体験を目指したということか
Erik Johnson: 我々は数多くの楽しめる恐怖を入れてきた、間違いなく。至る所で大絶叫だ。
故意に怖くしたということか
Erik Johnson: 人によるんじゃないかと思う。中にはとても怖いと感じる人もいる。
Doug Lombardi: しばらく暗闇の中に置かれるという部分がゲームにはある。そのようなゾクゾクする要素は、HL2やHL1にはなかったのではないかと私は思う。
Gabe Newell: 彼らがプレイ中に叫び声をあげるんだ。分かるかい、それは我々にとって道理に合った目標なんだよ(みんなに爆笑するよう指示する)。
Robin Walker: ある意味では、自分の周りにAlyxを居させることでこの機会を、そしてこの協力プレイ(Co-op)を得ることができたと思う。苦境に立たされ、また仲間のその反応を見ることで生じる数多くの面白みのある、男同士の友情を描いた映画(buddy movie)にほぼ似た体験ということだ。少し違うがね。RavenholmをAlyxと共に行動していれば、彼女なしの場合とはまた違った体験になっただろう。そこを通過する際、「Alyxなしでは、なしえなかった」と思えるような体験を築こうと我々は試みたのだ。
EP1ではどこのことか、具体例を
Robin Walker: そのよい例が、真っ暗闇のエリアにいる際のフラッシュライトの使用である。実際、フラッシュライトなしでは何も見えないほど完全な暗闇である場所をプレイヤーに通過させたことは、これまでも初の試みだ。そしてもちろんのこと、Alyxも同様何も見えないので、彼女に敵の居場所を知らせるあなたの使うフラッシュライトを頼りにすることになる。と同時に、あなたは手持ちの弾薬が少ないので、敵のある程度に対して彼女を頼ることになる。
こうしたAlyxとのごく自然なやりとりは、本当のところ暗闇についてではなく、協力プレイについてのことなのだ。我々がどのようにして暗闇の場所を作るのかが目的なのではなく、どうやってそこそこ興味深い方法でAlyxとかかわりを持てるようにするのか、またどうやってお互いを頼れるような状態にできるのか、ということだ。
Gabe Newell: その後のゲームでは、彼女を役立たそうとすればするほど一緒にいることが楽しくなるので、我々は絶対に彼女に頼らなければならない状況下にあなたを置き、実際に有能な仲間であると理解させる。そうした過程を経ることで、残りのゲームがもっと楽しくなるのだ。
今回は誰が物語を書いたのか
Gabe Newell: デザイン決定は、Robinやごく普通の社員からなる共同作業によるところが大きいが、それで満足している。「誰がリードデザイナーなのか」とか「誰がリードプログラマーなのか」と聞く人間がいて、「なんだって?」のようになるからだ…
Valveでは何人が働いてきたか
Gabe Newell: 104だ…我々は非常に選り好みをする。基本的にHL1を作った者たちはまだ全員がいるし、人選は難しいものだ。我々は全世界を飛び回り、自分たちに合う人間を探さなくてはならない。我々の共同作業による試みでは、そうした類の個性や技量に頼ることが殆どだ。それによる良いことといえば、我々に合うデザインを行う人員を持てるということ、悪いことといえば、ただ外に出て行って50人を雇い、「もっと作れ!」とやれないことだ。最終的にその中の48人を解雇し、また最初から始めることになるからだ。
今回なしてきた役割を例えるなら
Gabe Newell: 分からない…。チアリーダー、ぼやき屋、プレイテスター。一体全体どうしてこんなにも遅れるんだ?(笑) デュアルSLI搭載の水冷式AMD-FX63と、30インチのモニターを使ったテスターさ!
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