Admin Area

Kikizo: HL2:EP2のインタビュー (07/4/10)

Half-Life 2 Ep 2: Valve Software Interview
KikizoはValveのマーケティングディレクターであるDoug Lombardiに対し、9月に多機種同時発売される予定のHL2:EP2やHLシリーズ、またSteamや全般的な取り組み方に関して、インタビューを行うことができた。

HL2購入者の25%がSteam経由と聞くが、Steamの元々の展望は
Doug Lombardi: Steamに初めて手をつけてから、大分発展を遂げてきたと思う。元々は、我々のゲームをオンラインで遊ぶ人々を満足させようと出てきたアイデアだった。だから、我々がそれについて初めて話したとき、5~6年前は、自動アップデートのようなものが重要だった。CSとTFCの成功により、我々は気づいた。我々はこうした顧客に対して、よりよいサービス業務をしなくてはならないと。よって、自動アップデートやメッセージ送信、サーバ閲覧等は一番最初の機能一式であり、我々がこの進路を進んできた際、我々は気づいた。同様にこの方法で完全なコンテンツを提供できるのだと。

Steam初となるHL2やCS:CZを立ち上げてから、我々はSteamを通じて完全なゲームを提供する、よりよい業務を行う方法について多くを学び、そして今、自分達の製品だけでなく、IntroversionやRed Orchestraを作ったTripwireの人達から素晴らしいインディ系のゲーム(independent games)を供給するという、重大な地点にいるのではないかと私は思うのだ。我々はまた、ArkaneのDark Messiah of Might and Magicや他の商業ゲームといったビッグタイトルを供給する段階へと移行した。

前作ではディストピア的な環境を描いていたが、EP2ではどのように変わるのか
Lombardi: 三部作を進めるに従い、我々はCity 17からより残酷な事態に陥るHL2後の世界へと移行する。AlyxとGordonはEP1幕引けに都市部を離れ、旅を続けていく。EP2ではCity 17を離れ、戻ることはない。少なくともしばらくの間は。(微笑み) そしてあなたは、この広大な森林へと入る。ゲームプレイをより広範囲な規模へと広げる森林へと。新クリーチャーのHunterは、そこでの強みを生かすようデザインされている。彼は非常に素早く、屋内外を問わずジグザグ移動(reaverse)を行う。共に長い時間を過ごすことになる新たな乗り物を我々は提供する。それにより森林内を素早く移動し、StriderやHunterの群れなどに対し大規模な戦闘を繰り広げていく。

主要なキャラが死ぬなど、予想の付かない事態は起こるのか
Lombardi: そうだ。ハハ。EP2を終えるまでに、少なくとも1人は…あなたの仲間としてしばらく行動していた人が、それがもはや…続くこともないだろう。

謎が増えてばかりだが、EP2で解決するものはあるのか
Lombardi: EP2ではG-Manについて、また彼のAlyxとの関係についての多くを発見することになるだろう。我々が「G-ManはGordonの父だったのだ!」などといったような類の新事実を、全て詳細に明かすようなことを行うのかは、私は知らない。ゲームの持つ魅力に不可欠な要素に、ミステリーというものがあると私は思うし、人々にとって、物語がどう絡み合うのか、その各要素がどういったつながりを持つのか、彼ら独自の仮説めいたものを立てることができるというのは、楽しみに不可欠な要素なのだ。我々はゲームをユーザが生み出すことができるものとして捉えているし、我々が試みていることは、彼らのそういった体験を生み出すことができる受け皿を作る、ということだけである。それが何故Gordonがしゃべらないのか、Gordonの姿を見ることがないのかの理由であり、我々はプレイヤーがまるでGordonであるかのようにさせたいし、その世界で何らかの彼ら自身の結論を出せるように、少なくとも仮説を立てられるようにしたいのだ。

DX10や専用ハードウェアを使ったHL2の物理効果について
Lombardi: エピソード形式にするに当たって素晴らしいことのひとつに、新たなハードウェアが出るに従い採り入れたり、DX10といったものが完成次第サポートしたりできる、ということがある。また頻繁にリリースが行える以外にも、物理効果を利用したゲームプレイを、より素早く追加できるようになるのだ。例えばHL2で言えば、世界やオブジェクトを操ることもできる基本的な物理効果があった。そしてEP2では、実際に可動な物理オブジェクトの建造物などといったような、大規模なオブジェクトを扱うシネマティック物理へと我々は移行している。HL2では、Striderに攻撃をさせたり建造物を吹き飛ばしたかった場合、出入りすることのできない建造物を対象にするしかなかった。技術的な制限でスクリプト動作をさせなければならず、目に見えない壁の向こう側で行わざるを得なかったからだ。

EP2では、我々はその物理的な壁をいわば取り除くことができ、建造物への出入りや戦闘への参加ができるようになったり、Striderがその建造物を破壊することができるようになったり、そういったものを物理的な見た目で爆破などできるようになった。

クイックセーブでチートまがいのことができてしまうことについて
Lombardi: さて、我々は常に、プレイテストを基にそういった物事に注視していると私は思う。プレイテストで我々が気づいた場所に基づき、妥当な位置にオートセーブを設置する試みをしているし、その次に我々は常に手動セーブという選択を人々に与える試みをしている。各人それぞれに自分のプレイ様式があり、自分のスキルにあった助けや支援が必要であると私は考えるので、ある種自分好みの体験を紡ぐことができるよう、我々は選択一式を与える試みをしているに過ぎない。

HL2のAIには満足しているか、また新エピソードではどうなっているのか
Lombardi: そうだ。つまりAIは我々が絶えず着目し、進化させる試みを行っているものである、ということだ。また、世界をよりリアルに、自然に見せるためにも行っている。我々がHL2で行った大きな進化の一部に、あなたが何を見ており、何を行っているのかをNPCへ知らせることがあったと思う。そのちょうどよい例を挙げると、Eliの研究所に訪れた際、彼の家族の写真を見ると「家内を覚えてるだろ…?」などといったようなことを受け答え、うまくいけば初めてそれに出くわした人間が、うわっ、ちょっと待ってくれよ、奴はどうやってオレの見ているものを知ったんだ、となり、そこには驚きの要素があったのだ。

EP1では明らかに、AIに対し多大な労力がつぎ込まれている。Alyxをいうなければ格別の相棒や、エピソード全体を通しての悪友にするために。以前は、戦闘以外であなたについてくるキャラクタ全てが、いざコトに取り掛かろうとすると「じゃ、またあとで!」となっていただろう。EP1では彼らをそのまま連れて行けることに、我々は本当に誇りに感じている。「いいや、私はあなたと共に戦闘へ参加するために来たんだよ」と。そしてこれは、我々にとって大きな一歩だったのだ。そして我々が前に進むにつれ、より自然に感じる体験にし、プレイヤーが相手に物語やちょっとしたコントを期待したり、同様に実現可能な悪友になってもらうことも期待する方法を我々は常に模索することになるだろう。

声優はどうやって選び、割り当てるのか
Lombardi: 我々にとって、声優探しというものは重大な事で、何故ならキャラクタの創造、振り付け、そしてその舞台のプレイテストに本当に多くの時間を費やしているからであり、もしそのキャラが口を開いた際、アヒルのような声だったら、シーン全体が水泡に帰してしまう。よってそれは、特に重要なキャラクタを決める際、我々にとって非常に、非常に重要なことであるし、我々はプロの声優から俳優の卵、さらには地元シアトルの人間にいたるまで、さまざまな人間からのオーディションテープの選定に非常に時間を費やした。そして我々がこれだと思った人は、本当に一意に決まるものではなかったのだ。

Doctor Breenの場合、60年代から70年代にかけてテレビや映画で沢山仕事をしてきた俳優のRobert Culpだったのだが、彼は最初、我々の頭に浮かんだ人ではなかったので、まずないように思えたのだ。しかし、我々がスタジオへ行き彼と仕事をした際、彼はBreenになりきり、セリフを自分のものとしたのだろう。特に最終シーンでJudithを見上げた際、彼は気違いじみた高笑いのような声を出し、数行のセリフを飛ばしたのだろうが、我々は彼がセリフを口にしたのだろうと思ったし、さらに、増やしたかのようだった。彼は自身の空間を作り出し、相手に伝える、そう、まるで、セリフがあったかのような印象を受けた。そして、彼が正しかったことが判明するのだ。

そういったキャラクタを見つけ出すだけではなく、そういった人々をある意味自分達のものにできるというのは、本当に素晴らしいことなのだ。Kleinerの声はHal Robinsによってなされており、HL1でもかなりの量の声を担当した。また彼はサンフランシスコの舞台俳優であり、我々の物語作家であるMark Laidlawの旧友でもある。Alyxを演じたのはブロードウェイの女優であるMerle Dandridgeで、彼女はそのキャラクタの魅力に引き込まれた人であり、一緒に働くにも素晴らしい人である。その役が本当に彼女にぴったりであると我々が考える人なのだ。

我々にとってそれは、環境音や他のどれにも劣らず非常に重要なことなのだ。プレイヤーへのオーディオキューやそういった声により実現するキャラクタの信頼性は、モデリングやアニメーションと同程度の重要性を持つということだ。そしてまた我々が試みている事のひとつに、ゲームが発売されるまで有名な俳優や女優を起用したと大々的に宣伝しない、というものがある。彼らの仕事を認めて欲しいのはもちろんのこと、我々は人々に、ゲームに出てくるキャラクタとしてそれらのキャラクタやゲームを体験して欲しかったのだ。よって、我々は「おお、EliはBensonがやっているのか!」といって人々をプレイさせることはしたくない。EliはEliであり、そしてその後、ああ、あれはBenson(70年代のABC昼ドラホームコメディ、DuBois)をやっていたRobert Guillaumeだったのか、としたかったのだ。

同時発売されるコンソール版にLost Coastは入るのか
Lombardi: うーん…まぁ、まだ決定していない。Lost Coastは発売後、コンソールのオンラインシステムを通じて提供される可能性はある。

他機種とプレイできるようになるのか
Lombardi: 技術的にはもちろん可能だし、マイクロソフトは我々が本当に刺激的だと考える、Vistaと360のプラットフォームを越えた開発を人々にして欲しいという兆候を示している。昔の話だが、我々はPCと対戦のできるDreamcast版HL1を開発していたが、完成を待つ前にセガはハードビジネスからいわば撤退してしまったので、それが実を結ぶことはなかった。しかし我々は技術的に可能であることを知っているので、PCと相互運用できるようプラットフォームを開放するかどうかは、ハードメーカー次第なのだ。

EP1ではHDRなどを導入したが、DX10でできることは広がったか
Lombardi: うむ、DirectX10でどれだけ追求することができるのか、まあまだ調査中のところだ。ただ、非常に有望であるようだし、我々が目にしてきたことに非常に興奮している。また我々には、できる限り素早く最新技術の強みを生かすよう、我々の技術を移行させる試みを常にしてきたというとても素晴らしい歴史がある、と私は考えている。エピソード形式での取り組みは、間違いなく我々の強みとなっているのだ。

HL2や他の開発チームの構造について教えてくれるか
Lombardi: チームの規模は本当にさまざまだ。普通は小さなグループから始まり、基本的なアイデアを出し合ったり試作したりする。そして開発が進むにつれ、チームは大きくなっていく。我々にとって、決まった人数を割り振るのは少しばかり難しいことだ。何故なら我々には技術に取り組むチームがおり、彼らは言うなければデザインの基礎を形作る手助けを行っている。つまり、デザイングループは技術グループのところへ行き、この特色が欲しいとか、これを動作するようにとか、これを作って欲しいと頼む。そうやって技術グループの仕事として、クライアントとなりそういった者達へとサービスを提供するのだ。よって我々は、チーム独自のエンジニアやデザイナーがいると、分け隔てることはしない。多くがその境界を越え、共有されている。

実にこういった手順で進められている。まずプレイできる状態にまで持っていき、ゲームをしてもらう人間を招き入れる。それから我々全員がその後ろでプレイを見守り、何も言うことは許されない。そして彼らを席に着かせ、本ほどの厚みのあるノートに書きとってもらう。うまくいけば工程の終盤までにはその半分のページが埋まり、準備オーケーだ、と言える段階にまでたどり着く。以上がまさに我々の行っている評価手順であり、ゲームをプレイする人間を招き入れる理由でもある。そして彼らは、我々が伝えようとしているクールなものに気づいてくれたのか、と聞く。もし晴れ舞台を逃したのなら、我々は方向性を変えるか、修正するかしなきゃならない。

この非常によい例を挙げると、HL2で駅構外の演出パートのようなところへと初めて足を踏み出し、それからしばらく進み角を曲がったところにStriderが行進している場所がある…我々がそれを初めて行った際、人々はそれに釘付けになった。我々の対象の扱い方や照明効果がそこに集約されていたからだ。我々はそこのアニメの振り付けに多大な時間を費やした。それは巨大であり、物語の行き先を予兆させる瞬間なので、我々が正しいと思うまで、多大な時間を修正に費やさなければならなかった。

そうした瞬間だけではなく、ゲームプレイの瞬間やパズルにとどまらず、あらゆるものに対して行われた。そして我々は、準備完了と言えたり、正しいと言えるほどに近づけたとの感触をひしひしと受けている。だから我々はこのことを言いたい。Gabeの親父さんが納得し気に入り、CSを週40時間プレイする22歳の人間も納得でき、また別の趣味や技能を持つ人間も同様に納得できるとここで言えるのであれば、それは正しく、準備ができていると我々は理解する。

どのくらいの幅広い層を使ってテストしているのか
Lombardi: 我々がプレイテストに招くプレイヤーの種類という点においては、本当に全域にまたがっている。我々が招く人の中にGabeの親父さんがいるというのは本当だ、ということだ。ただ、我々は常に招き入れる新たな人間を探しているとはいえ、コミュニティ内の人間はもとより、ハードコアの人間に対しても、多大な信頼を置いている。さらに彼らは、成功の度合いを推し量るのに最初の決め手になるのが通例だ。難しいのは、我々はどうやって彼らにとって面白く、なおかつ挑戦的な状態に保てるのか、また同時により一般的なプレイヤーにとっても素晴らしい体験となるようにするには、どうしたら良いのか、ということだ。

個人的に好きなHL2のキャラは
Lombardi: あー、私の好きなキャラがG-Manであることに疑いはない。つまり、完璧な引き立て役以外の何者でもなく、身の毛もよだつ気味悪さと同時に、ある種ユーモラスな印象を受ける何かが彼にはある。また、彼を取り巻く何層ものミステリアスな雰囲気も、ある意味気に入っているところだ。

成功したSteamをコンソールへ持って行く試みは
Lombardi: どのプラットフォームにおいても、顧客のニーズが何であるのかに注視しなければならないと私は思う。そしてもし、人々が多くのゲームをオンラインでプレイするのであれば、それに必要な機能全てを用意することになる。自動アップデート、まず彼らは新たなマップ、新たな武器、新たなプレイヤーキャラなどの形で、新コンテンツを欲するようになるだろう。彼らの目に止まったコンテンツへ簡単にアクセスでき、またゲームへと戻れるようにするには、かなり特殊な技巧が必要となる。それをどうやって成し遂げるのかを考えるのは、ある意味見当違いなことだ。我々はPCではSteamを確立しており、今ではかなり成熟し、非常にうまく稼動している状態にまで到達した。我々のユーザに対してだけでなく、他の者のゲームに対しても同様のことが言える。

マイクロソフトも同様にXbox Liveを通じ、明らかに彼らのプレイヤーをサポートする方向へと動き出し、よい手ごたえを得ている。またSonyには、そういった人々をサポートする同様のものがある。我々が展開をするに従い、オンラインゲームをプレイする人が増えてきているが、これは必然的に起こったものなのではないかと私は考える。願わくば顧客の誰もが各自気に入ったものを適切に手にし、投資した額以上のものを得られたような感覚を得られればと思う。

独立性の強いValveにとって、エンジンなどのライセンス提供はどれほど重要なことなのか
Lombardi: 我々自身やモデル製作者の双方、そして恐らくサードパーティやプロの開発会社にとっても同様に、多くの使用目的を持てるようになるという観点のもとから、我々は技術開発を行う。我々がSourceに着手をした際、これを使って我々は非常に多様なゲームを作ることになると言い、PortalやTF2、そしてEP2がその証明になると私は考えている。つまり、この3つは根本的に異なるグラフィック様式である、ということだ。Dark Messiah of Might and Magicは、我々がしなかった近接戦闘や白兵戦を伴う多くの作業を行っているが、エンジンはそういったものもサポートできるよう、一種のモジュール形式で構築されている。

我々はSteamであろうがSourceであろうが、その技術を使用したいと思う者なら誰でも歓迎するし、我々に接触を求めるものを招き、その話し合いを行う。しかし我々にとってのビジネスの要はコンテンツを創造することなのだが、その副産物が他の者達も同様に有用であると見出すであろう、本当にクールな技術なのであり、我々はそれを行うことにとても開放的なのだ。我々はミドルウェアのビジネスに主眼を置いているわけではないのだが、サードパーティに対するそうした類の関係や取引は、要求があれば応じている。

Comments

まだコメントはありません。

Add Comments


:


:


:



TrackBack

Trackback URL :

まだトラックバックはありません

The Final Hours of Half-Life 2 Japanese

ARTICLE INFO

723837 (7D:2636 Y:372 T:142) [Mode] Since 2006-06-01
Copyright © 2003-2008 fov120.net Some Rights Reserved.
Powered by Nucleus