Admin Area

MC: Robin Walkerの業界に入るまで (07/10/15)

How I got into the Industry (Robin Walker)
MODを語る上でTeam Fortressを作ったチームやRobin Walkerの名を外すことはできない。ModCenterは、マルチゲームでは知らぬものはいない、非常に有名なTeam Fortressの生みの親であるRobin Walkerに対し、彼の職歴に関して詳細なインタビューを行う機会を得た。

今月で11周年を迎えるTFだが、Quake用のMODとして作っていた頃の目標は
Robin Walker: 元々の目標は、我々が実際にプレイしたかったゲームを作ることであった。時が経つにつれ、あまり自分達のことを考えるのはやめ、他の人々がプレイしたいゲームを作ることに変わっていった。今日におけるMOD作成者は、しばしば業界へ入ため、あるいはプロとして独立することを目指しているが、我々の頃は誰もそういうことをしていなかったため、そのような考えには全く至らなかった。

開発当初のチームは3人だったのか、また作業分担はどのように
Walker: そうだ。元々は3人だった。それに加え、ほぼ毎週末にプレイテストしてくれるLANゲーマーがいて、フィードバックを提供してくれた。作業分担は自然発生的なものであった。我々3人全員がコードを書けるので、個々が何らか意味をなすもの、大抵は週末のプレイテストそのものから出てきたものに取り組んでいた。日中は学校や仕事があったので、ほぼその全てが夜間になされたものだった。

TF以前に何らかの開発経験はあったのか
Walker: 我々全員が学校でゲームを作ることに首をつっこんだことはあるが、専門職としてのプログラミング経験は1人だけであった。それはゲームではなかったが。

無償にもかかわらず長い間モチベーションを維持できたのは
Walker: 実際のところ、モチベーションを下げることは非常に難しかった。Quakeコミュニティ自身は大きいと感じていたが、人々が何らか特別なことに参加していると感じないほどは大きくなかった。どこを見渡しても、人々は何かしら初めてのことに取り組んでいた。プレイヤーは、空間移動の新たな方法や技巧を見つけていた。MOD制作者は絶えず新たな武器やゲームプレイを発明し、Quakeエンジンでできる新たなことを見つけていた。その上、我々のプレイヤーは非常に発言力があり、あらゆる特色(あるいはその欠落)について大量のEメールを我々に送りつけていた。

MOD時代の一番の障壁は、またそれをどう乗り切ったのか
Walker: 我々が直面した一番のそれは、今のMOD制作者も直面している一つではないかと思う。それは、流通の問題だ。その当時、他のプレイヤーからTFのことを聞かねばならず、またウェブページを見つけ出し、ZIPをダウンロードしてから正しい場所へ解凍し、サードパーティ製のサーバブラウザを探して、やっとプレイできるTFサーバを見つけることができたのだ。さらに、MODのアップデート毎に同じことを繰り返さなければならなかった。同じMODでも違うバージョンが走っているサーバはざらにあっただろう。我々はその解決にあまり注力していなかったものの、Valveに入社してからは、組み込み型のサーバブラウザやMODブラウザといったようなもので、ある程度貢献することができた。とはいえ、MOD制作者にとっては解決済みの問題だとしても、我々にはすべきことが残っているし、それがSteamができた理由の一つなのだ。最終的に我々は、簡単にMODをブラウズし、自動でインストールやアップデートができるようにして、プレイ以外に一切何も考えなくてもいいようにしたい。

TFは後から爆発的に人気が出たが、成功へ導いた一番の要素とは
Walker: 最初は全くMODの宣伝をしていなかった。おそらく、我々は過剰な宣伝をしている他のMODコミュニティとは別なものでありたい、といった考えによるものからだったと思う。最初の数バージョンはウェブページすら作っていなかったと思うが、今の時代では全く考えられないことだ。結局のところMODの成功は、我々がここ10年で数多く目にしてきたものに帰着する。それは定期的なコンテンツのアップデートだ。新たなコンテンツは、古参のプレイヤーにとってゲームを新鮮に保つ役目を果たす。今までのものが変わり、新たなスキルを学ぶ必要があるからだ。アップデートによって生じたニュースは、引退した者達を呼び戻し、新規プレイヤーを引きつける助けとなる。

最初からプロになろうと思ったのか、そうでなければそれはいつから
Walker: 先ほども述べたように、プロのゲーム開発者になろうとは全く思いもしなかったことだ。今とは違い、MODを作ることで業界に入れるとは一般に思われていなかった。ただ、それを考え始めたのはずっと後のことではなく、初期のリリースから2年ほど経った後からだった。その主な理由は、我々が実際に商業製品にできると感じるほど十分大きくなったことだ。それに加え、業界の人間から我々の将来設計に関して問う、様々な注目も受け始めていた。

Quake2でのTF2開発を試みていたようだが、当時はMODを商業ベースに乗せることは難しかったのか
Walker: 今となってみれば、物事の進め方を知らなかったことは明白だった。我々は卓越したゲームを作るという難問に立ち向かっていたのだが、その後、異種の製品を出版し販売するという同様の難問に行き当たることになるだろうことは我々は考えもしなかった。その当時、我々はそこまで行くことさえできなかったのだ。数年後、我々がTFC、DoD、CSをリリースした際、その一部を解決することになった。よいことに、今となってはそういったことが非常にやりやすくなっている。商業製品へ移行したMODの例が多くあるし、そのいくつかは非常に成功している。私が今、たった一人の開発者だったとしても、Garry's Mod単体の成功だけで、そのビジネスモデルに追随するであろう十分信用するに値する出来事なのだ。

Valveへ加わることは容易な決断だったのか、他からのオファーは
Walker: Valveが連絡をくれるまでは、しばらくいろいろな開発者やパブリッシャと話し合っていた。Valveと他の違いは、ほぼすぐに明白なものとなった。他のところは共同作業についての話し合いをするための段取りの話し合いをしようとしていた一方、既にValveの2回目のEメールには航空チケットが入っていた。我々はほぼすぐにValveへ行くことになった。そこではHLを作っており、MOD制作者にとってよりよいプラットホームになるよう努めていた。最初のうちは請負だったのだが、数ヶ月内には我々を買収し常勤にするとValveが申し出た。我々はそれまでにHLを目にし、その会社では多くを学べるであろうたくさんの人々と出会ったので、非常に容易な決断だった。

プロ転向で何が一番の経験に、また以前との違いは
Walker: 一番大きく変わったのは、小さな開発チームから、より大きなプロジェクトに取り組むずっと大きなチームへ移動したことだ。これによりコードの書き方や連絡方法、デザインの決め方など、我々の作業の全てに影響を及ぼした。興味深いことに、Valveでの開発過程に関わるほぼ全ての部分が、MOD作成者が持っていた長所のいくつかを踏襲しようとしていたことだ。つまり、ゲームへの変更が迅速にでき、可能な限り素早く顧客からの反応を得られるといったことだ。

プロ転向にコミュニティはどんな反応を
Walker: こういった類のニュースに対する一般的なコミュニティの反応とほぼ同じだ。ゲームの注力が元のコミュニティから離れてしまうのではといった恐れがあった一方、より多くの経験やリソースを製品へ投入した際の新たな可能性に関してのワクワク感もあった。その時の反応がとても好意に満ちていたことに我々が驚いたことを私は今でも思い出せるが、それはおそらく、Quake TFコミュニティの結束が強かったことの表れだったのだろう。

業界志望のスキルのある者に対して何かアドバイスは
Walker: MOD作成は、今でもあなたが業界へ入るためにできる中で最善の方法の一つだと思う。その理由のいくつかを挙げる。

  • 習うより慣れろ。今では細かな変更のできる(MOD-able)FPSやRTS、RPGなどがたくさんある。
  • 業界に食い込むなら、人より抜きんでろ。MODは自分の情熱ややる気を、さらには興味深いアイデアさえ同様に示せるかもしれない。MODが十分有名になれば、業界の人間は向こうからやってくるし、交渉にはうってつけの場だ。
  • 深入りする前にMODを作って検討を。これはゲーム業界の素晴らしいことの一つで、無駄になる前に試すことができる。ゲームで遊ぶほど作ることにのめり込めなかったり、モデリングほどプログラミングにのめり込めないことに気づくかもしれない。これは大学で何年も費やす前に見つけ出せる、素晴らしいことなのだ。

最後に、そして最も重要なことだが、他を犠牲にすることでMOD作成が成り立つ、ということはない。夜間にMODを作っていても、大学には通える。選択の自由を確保しておくことだ。

最近ではどのようなMODが開発者の目にとまるのか、あなたはどの部分に注目を
Walker: 我々は様々なものに注目する。最も表層の部分では、何かしら面白みのある部分を探す。これは様々な形態に適用できる。極めて有名であったり、独特の視覚様式を備えていたり、旧来のデザインアイデアに新たなひねりを加えていたり、困難な技術的問題をクリアし、よい意味で使用していたりして、MODは面白みを持つことがある。逆に面白みのないMODを挙げるのは容易なことだ。完成することのないMOD、新規発展性に欠ける旧来のMODリメイク、成功したMODの丸写し、理由なく過度に複雑化したMODといったようなものだ。これは大きなテーマなので、我々が過去に書いた記事、初期のデザインアイデアに絞ったMOD作成者の手始めを支援する、Making a Mod(英語)を挙げておく。

もう一度一からやり直せるのであれば、違ったことをしていたか
Walker: もちろんだ。我々はプレイヤーの体験にずっと多くを注力していたことだろうと思う。と言うのはつまり、我々はより多くのプレイテストを行い、問題が生じる物事を見極め、その解決方法を考え出すということだ。元々のQWTFの核心は楽しいゲームというものだったのだが、プレイヤーとしてみたら、理解するにはたくさんの作業を要した。その作業のいくつかはゲーム外のものであった(TFのファイルはどこへ解凍したらいいか、QuakeでTFを立ち上げるにはどうコマンドラインを変えたらいいか)し、いくつかはゲーム内のもの(何か組み立てるにはどうしたらいいか、敵のSpyを見分けるには、Sniper rifleをチャージするには、自分が死んだ原因は)だった。我々はその全てに対し、プレイヤーがすぐに楽しめるよう、その障害を乗り越える助けを行う方法を見つけることに多くの時間を費やしていただろうと思う。我々がTF2でそのことに多くの時間を費やしたことは、ごく当然のことに過ぎない。

最後に、MODコミュニティへ何かあれば
Walker: MOD作成者の皆さんの成功を祈る。インターネットのユーザへ何かしらプレイできるものを出すことは非常に大変なことだが、それに見合うだけのものが十分にあるし、非常に多くを学ぶことになる。MODの成功は、MODそれ自体にあるということを忘れないでいただきたい。宣伝の仕方やウェブページの装飾で決まるものではない、ということだ。チームは小規模にとどめること。コンテンツでもコードでも、チーム全員が貢献できるようにすること。初期のやる範囲(initial scope)は小さくとどめること。できる限り迅速にリリースすること。その後、アップデートをし続けること。最初のリリースは、あなたが初めてであること。成功したいのなら、最後であってはならない。

Comments

まだコメントはありません。

Add Comments


:


:


:



TrackBack

Trackback URL :

まだトラックバックはありません

The Final Hours of Half-Life 2 Japanese
702137 (7D:3870 Y:570 T:394) [Mode] Since 2006-06-01
Copyright © 2003-2008 fov120.net Some Rights Reserved.
Powered by Nucleus