PT: Portal作曲者とのインタビュー (07/10/26)
Primotechは、Valveの新作品であるPortalのエンディング曲「Still Alive」の作詞作曲を手がけたJonathan Coultonにインタビューを行っている。彼の公式サイトには作品やコンサート情報などが掲載されているので、興味がある人は覗いてみて欲しい。中でもmusicセクション内「Thing A Week」に列挙されているサンプルは必聴に値するものという。
インタビュー中にはPortalに関するちょっとしたネタバレが含まれているので、是非ともゲームをクリアしてから読んでみることをおすすめする。
今年一番のゲームに関わった人間になった気分は、また街でも有名人に
Jonathan Coulton: さて、これは聴くことを楽しむものなので、あまり顔は覚えられていない。ウクレレでも持っていたら別だっただろうが。ただ、反響は間違いなく大きく、深く感銘を受けた人から多くのEメールやブログのコメントをいただいている。私の曲を聴くのはこれが初めてで、今では私の残りの作品も楽しんでいる、と書いてあるのは気分がいい。でも、既にファンである人がそれを聴いているとき、その人がそれが私の作品であると言っているのを耳にするのは、もっと気分のよいものだ。
Valveはどうやって話を持ってきたのか
JC: 去年シアトルでライブをしたとき、Portal開発者から2人ほどが見に来ていた。ライブ終了後、全員に挨拶をしたのだが、彼らは自己紹介をし、Valveで作曲してみないか、とかそういうことを尋ねてきたのだったと思う。その時点では、我々が何をすることになるのかは知らなかった。私はHalf-Lifeの大ファンだったので、もちろんその提案をお受けした。それから少しして、我々はValveにお邪魔して私が何をすることになるのかを探ってみた。ゲームの初期バージョンをプレイして作家と話した後、Portalのこのキャラクタの声で作詞した方がいいとの決断に我々は至った。
HLファンとのことだが、作詞にはその関連情報を調べる必要はあったか
JC: よく知ってはいたのだが、もちろんゲームには直接出てこない背景となる物語がたくさんある。特にPortalは、その世界での新たな派生物のようなものなのだ。だから私は、作家であるErik Wolpawと共に彼女が誰であるのか、そして何が彼女をつき動かしているのかの、キャラクタに関しての話し合いに多くの時間を費やした。もちろんのこと、私はゲームをたくさんプレイした。私にとってキャラクタの声を選ぶことは、比較的容易なことであった。とにかく私はゾンビや悪魔、あらゆる類の悪意に満ちた受動性の攻撃的性格といったキャラクタについて、年中書いていたからだ。そしてゲーム中の会話はこの強力な個性を持たせるよう、緩やかだがごく明白に、よく描かれている。私が実際に彼女を理解できるようになるまで、そう長くはかからなかった。
PortalやHL以外に参考にしたものは
JC: 特に具体的なものはなく、私の頭に年中浮かんでくるものに過ぎない。私は支離滅裂(asshole)な会話をそっと入れるのが得意であることにいつも驚かされるし、その内容が私自身に関するものであることに少しばかりとまどったりする。
実際のレコーディングはどのように
JC: ブルックリンにある私のスタジオで私自身の声を含む、あらゆるものを録音した。我々がこれだと思うものができたら、ゲームでキャラクタを演ずる声優であるEllen McLeanと共にシアトルでスタジオセッションを行う。私は彼女の声に驚いた。実際にデジタル処理する部分がほとんどないのだ。つまり、ひどい怒りを内に秘めつつ狂気じみたものを持っているにもかかわらず、機械音のような音を発するのに彼女は非常に長けているのだ。その録音が終わると彼らは彼女の声をゲームに取り込み、我々と共に構成要素を詰め込んでゆく。
作曲前にゲームはプレイできたか
JC: 一本丸ごと、そうでなくとも完成した部分はプレイした。何回かプレイしたし、非常に気に入っている。
Still AliveをPortalの世界にマッチさせることは難しかったか
JC: 全く。彼らがどんなジョークを織り込み何をしようとしていたのか、私はすぐに全てを理解できたような気がした。Aperture Science内部の様子は基本的に気の触れてしまった社風であるし、その環境を描くことは非常に身近なものだと感じている。
完成した曲を初めて聴いたValveはどういった反応を
JC: 彼らは非常に満足していた。何日もそのメロディを口ずさみながら歩き回っている人がいるという話を耳にした。それはいつだってよい傾向であることに違いない。
「もうベータではないの、予定通りリリースよ」のくだりはValveへの皮肉か
JC: いや、というよりソフトメーカー全体に対してのものだ。いつになったら全てのものが予定通りリリースされるようになるのだろうか。
Still Aliveを聴いたコミュニティからの反応の大きさに驚いたか
JC: 完成した時点でまず間違いなくよい歌であると思っていたが、これだけ反応が大きくなるとは見当もつかなかった。私に申し分のない作曲の場を与えてくれただけではなく、最後の場面でそれが実際に展開するようにしてくれ、Valveの人間には大変感謝している。歌が始まる直前までの一連のあの出来事、スクロールする文字やクレジットのそれは、歌を書き終わってからなされたものだったし、それにより素晴らしい価値を与えてくれたと思っている。ゲームがその歌で自然と終わるように出来ていると感じるようになっているのは、彼らの功績によるものだと思う。もちろんそれを自然だと感じさせるのは、何ともとんでもないアイデアなのだが。
次にゲームの仕事が来たら、どんな曲を
JC: キックラインのあるダンスナンバーだ。Halo 4で。
担当に伝えておく。他の作成中のゲーム曲でもStill Aliveが一番の出来(HUGE SUCCESS)か
JC: 今のところ作っているものはないが、もちろんこうした類の仕事にも門戸を開いている。普通はこういった類の曲を作る仕事は避けているのだが、今回の場合は非常に魅力的なキャラクタだったし、非常に有能な集団だったので、断るわけにはいかなかったのだ。相応しいプロジェクトであれば、再び私をその気にさせるだろう。
最後にこれを聞くのを忘れるところだったが、あなたの好きなケーキは
JC: チョコレートだ。私の母が作る濃厚なチョコレートケーキ(devil's food cake)は、私が泣き叫ぶほどに素晴らしい。
Comments
crash on 2007-11-05 at 05:51:58
Portalは技術デモ的な構成かと思ったらストーリーも
結構きちんと作られていて面白かったっす。
雰囲気はvalve系で一番良かった!
Kusa on 2007-11-05 at 21:26:40
http://www.jonathancoulton....
ご本人のブログにもいくつか情報が出ているようですね。
Still Aliveにはこの作曲者が歌っているバージョンもあるので、
Valveはいつかそれを(サウンドトラックとして?)リリースするんじゃないか、ということと、歌の権利はValveにあるので、
このブログにアップロードする予定はない、ということです。
またこのエントリには歌詞とともに、コード進行も掲載されているので、
弾き語りなどしたい人にはいいんじゃないでしょうか。


