Admin Area

RPS: David Speyrerとのインタビュー (07/11/8)

RPS Interview: Episode Two’s David Speyrer
Rock, Paper, ShotgunはEP2のプロジェクトリードであるDavid Speyrerとのインタビューを行っている。ここではPC Gamer 11月号のインタビューには入りきらなかった内容を扱っており、Valveで働くこと、プレイテストによるゲーム開発への影響、そしてDX9とDX10の違い、コンソールの役割に関して触れている。EP2に関してのネタバレを含んでいるので、クリアしてから読むことをおすすめする。

あなたのHLの世界での役割は
David Speyrer: 私はHL1がゴールドになった(CD生産に入った)日にインタビューを受けたのだが、それは99年初頭に開始され、またHL2のごく初期のことだった。私はその全ての期間に渡りプロジェクトに携わっていた。プロジェクト中盤にさしかかり、我々はデザインと制作のためにキャバルと呼ぶ、4つの小さなデザインチームを結成した。各チームはゲームの部分部分を構築することに責任を負っていた。私は最終的に、運河(Canals)と要塞(Citadel)を制作するキャバルのチームリーダーとなった。私はプログラマだった。ボートやポイズンゾンビ、他のたくさんのものに取り組んだ。それからEP2では、最初からプロジェクトリードとプログラマとして取り組んできた。具体的にはハンターのAIや車関係のものに取り組んだ。

Valveがゲームを作り続ける動機とは、金銭はもはやその理由には入らないが
DS: 実際にそういうわけではない。我々は多くの従業員を抱えている。150人近いと思うが、その全員に給料を払わねばならない。またそれは、とにかく全員がやりたいことにほぼ変わりがないのだ。我々はある意味惚れ込んでいる。我々はこれからもゲームを作り続けるだろう。全員が次にやることに強い興味を抱いていると思う。そしてその次にやることが現在のことになった際、全員がその可能性を見いだすためにさらなる強い興味を持って開発を行い、完成させ世に送り出す。そして最後にはいつも「今はゲームを作ることを考えることさえできない」と、チームの大半が口にする、意気消沈の時期が訪れる。それから一ヶ月後には、次に何をするのか、彼らはどんなゲーム体験を欲しているか、我々のゲームに何を期待しているのかに全員が非常にワクワクしだす。それは我々の動機付けであり、我々全員が愛して止まないことだ。そういったことに取り組むことの出来る、格別の会社なのだ。誰もがそういった者達と働けることに幸せを感じている。

EP1、EP2とも、難易度にかかわらずスムーズなゲーム進行が維持できているが
DS: 我々は開発中ずっと、外部のプレイヤーを使って毎週プレイテストを行っている。時には週二回行っているかもしれない。チーム全体がプレイテストを毎回観察する。我々はプレイヤーが数多く死んだり頻繁にリロードする場所を非常に注視している。それが実際に分かるのは、何百時間ものプレイテストの監視による結果からに他ならない。我々が念頭に置く高次の目標は、同じ場所で何度も死ぬことはあまり楽しいことではない、ということだ。我々は間違いなく、プレイヤーが多く死ぬ場所とプレイヤーがゲームを諦めてしまうこととの間に強い相関関係があることを、EP1においてSteamの統計収集ツールを通じて目にした。そのことは、難易度の急激な増加の危険性に我々を十分気づかせたのだ。我々は全体的なゲームや物語に多くを費やした。我々はプレイヤーにゲームを全て通してクリアして欲しいし、ゲームを最大限楽しんで欲しいし、エンディングを見て欲しいし、またそれに満足して欲しいのだ。我々がプレイテストで問題を見つけた際には、それがスムーズになるよう一生懸命に取り組む。

その例をEP2から挙げられるか
DS: 問題の解決法は、マップそれ自体と同じくらい別々のものとなることがある。幼虫抽出物を手に入れる必要のあるトンネルがあり、そこでは洞窟を守るアントライオンガードが追いかけてくる。そこは序盤でプレイヤーが多く死ぬ場所の一つだった。そのような場合、解決法はプレイヤーが自分のいる場所が分かるよう明確な目印をたくさん追加することだった。そこは実際、ちょっとした迷路のような場所だ。我々は強力な視覚デザインや明確な目印を追加し、明確に進行方向が分かるよう迷路を単純化したので、プレイヤーはゴールに近づいていることが分かるようになった。最初の頃は多くのループがある環状のものだったので、プレイヤーは知らずにスタート地点へ戻ってしまうことがたびたびあった。我々はプレイヤーが一時間以上そのレベルで詰まっているのを目にしたが、その時間中モンスターに追いかけ回され、何回も何回も殺されるのは非常にストレスがたまるものだ。他にプレイヤーが多く死ぬ場所は、最終マップだった。そこは我々が戦闘方法にあらゆる選択を与えている場所だ。デザイン上では考慮に入れていなかった戦闘方法があったのだが、プレイテストを観察した際にそれが明らかとなった。我々が傾向をつかむまで、時には一つのマップで四回程度のプレイテストを観察しなければならなかっただろう。例えばセカンダリ攻撃(alt-fire)があることを知らないプレイヤーがいた場合だ。

私はすぐに分かったが、それがハンターを倒す究極の方法だとは気づかなかった
DS: よく気づいてくれた。多くのプレイヤーがそれを見逃している。だから我々は最初の頃、そのマップのクリアにセカンダリ攻撃を使うよう大きく依存させていたし、様々なプレイヤーに別の方法を知って貰うよう、我々は確実に教えなければならなかった。そこには持ち上げてハンターに投げつけることの出来る多くの丸太が転がっている。それはそのことを知っているプレイヤーのために用意されている。また、RPGの使い方を知っているプレイヤーのために、ハンターをねらい打ち出来るロケットもある。それからそのマップには、(パルスガンの)セカンダリ攻撃用の弾薬がある。そして車を乗り回し、ハンターを轢くことが出来る。それはまた別の方法だ。

ストライダーを一掃する究極の兵器を手に入れ、その使用を全力で防ぐハンター達…なんとも不思議なひとときだった
DS: これはまさにストライダーを守るハンターとあなたとの主導権を争う戦いなのだ。しかしそのマップの調整に関しては、様々なプレイスタイルを持つプレイヤーのためにあらゆる選択を提供することが主として行われた。それは我々にとってシリーズ中、ある種独特の問題だったのだ。我々は今までに一度もこれほどまでの失敗する自由(freedom to fail)をプレイヤーに与えたことはなかった。

EP1のあらを探すならば、それには多くの三段式のパズルや作業が見られたが、EP2にはなかったようだ
DS: 我々はトレーニングを出来る限り自然に感じるよう努めている。EP1の要塞では、あなたは度々コンバインボールやその受け口(grabber)、光の橋やその類といった抽象的な機構を扱う。ああいったシナリオでは実際に行動する以外にトレーニングを示すことは難しい類のことなのだ。EP2では非常に現実的で自然に出来ている。EP2には奇抜でSF的な類はあまりないので、トレーニングを隠すことが出来た。その上、EP2では開発にさらに時間をかけることが出来たので、トレーニングのあらを取り去り、それを娯楽性のあるキャラクタの会話やその類のものに移すことが出来たものを目にしている。おそらくそれは、より多くの時間を費やしたことによる産物なのだろう。

今作にはDX10が使われなかったが、その理由は
DS: 我々は今回の作品群にある程度のDX10の機能を使用する決断を行ったが、APIを経由したものではなかった。Vista専用にはしたくなかったからだ。Orange Boxの発売時に十分な受け皿があるとは感じていなかった。もちろん、我々はそのうち使用することになるだろう。極めて必然的な成り行きだからだ。ただし今回、ハードウェアフェイスモーフィングのようなものは、バックドアのAPIを経由して導入されている。

すると、DX9でDX10の機能を使えるということか
DS: そうだ。ただし、ドライバ側のバックドアを使用する形となる。もちろん、我々はいつか再考する時が来るだろう。この方式は、我々が行った時点では申し分のない方法だったのだ。

CrysisチームはDX9では昼夜の表現が出来ないといっていたが、違うということか (この質問はデモ版のDX9ハックが出る前に行われたものだ)
DS: 我々が現在使用している特色では問題ないが、おそらく今後必要となるだろう。もしかしたらEP3の時点で追随せねばならない出来事が生じるかもしれない。純粋にユーザにとってどんな価値を得られるのかに基づき、我々は臨機応変に対応する。我々がその投資を行うと、ユーザはどんな利益を得ることになるのか、ということだ。

コンソールが加わることでOrange Boxの開発に変化はあったか
DS: いや、そうでもない。スケジュールに影響した以外は。あれは大きなものだった。PCとX360の同時発売、そしてPS3の多少の遅れは、通常のPCの発売よりもずっと前に完成させなければならなかったことを意味する。「ゴールドマスター」と「店頭販売」との間は、PCでは非常に短い。ただし、まるのままの認証手続きのあるコンソールでは、それが当てはまらない。最も大きな影響は、チームにかなり特殊な出荷サイクルを踏ませることになったことだ。我々は通常、非常に一生懸命に取り組み、ゴールドにし、そしてそれからユーザがゲームをプレイするまでに多少の期間を得ることになる。これは非常にワクワクすることだ。この時点で我々は、EP2やOrange Boxに何も関わっていない人々をチームに大勢抱えていた。360版ビルドが「認証」に入ってからずっとだ。360版のビルドが完了すると、実質的にゲームを変更できなくなるからだ。つまり、コンソール版の製品に満足していたというわけだ。我々の目標は常にPC版と等価なものにさせるため、360版の製品を最優先させることだった。それに我々が満足できれば、実質的にPC版の製品にも満足できるということなのだ。認証に達した後は非常に緩やかな出荷サイクルになったのだが、認証を行うことは会社全体にとって大きな山場だった。我々は認証を得るために交代制で24時間プレイテストを行う人員をそろえた。

EP2にはマグヌッセンの紹介や電子レンジのジョークなど、各所にユーモアがあり、Orange Box全体のテーマであるかのようだが、意図的なものか
DS: Orange Boxの3つのゲーム全てにかなりのユーモアが入っている、という事実に私はあまり気づいていなかったと思う。我々がシリーズでもより多くのユーモアをEP2に込めたかったことを私は知っている。HLにはダークなものではあったが、多くのユーモアが込められていた、ということだ。HL2の舞台設定や基調は非常にダークなものだったし、コンバインの人類抑圧にリアリティを与えようとしていたのだ。ただ、時間が経つにつれ、チームとして我々は、バランスを失うことなしにシリーズにHLのユーモアを再び持ち込みたかった。人類に多大な危機が及んでおり、ゲームの主要キャラに重大な出来事が生じる。それに対して同様にユーモアのあるひとときを入れることで、そのダークでシリアスな雰囲気がよりインパクトを増すと考えている。

おかげでキャラに深みが出た。Eliが私を誇りに思うと告げたとき、非常に心を動かされた
DS: そのくだりには私も同様の反応をする。私にとってそれは特別な思い入れがある。また、今ではChetとEric Wolpawが執筆を行っている。Old Man Murrayの人間だ。彼らは多くの素晴らしいユーモアを吹き込む。EricはPortalでほぼ全ての脚本を手がけており、そのダークなユーモアが実際に成功している。

EP2のエンディングに歌がないのは残念だ
DS: ああ、あの歌は素晴らしい。私はこれも気に入っている。「あなたはコンパニオンキューブを最短記録で葬りました」という部分だ。そして嫌な気分になる。私が一番早かっただって。なんてことだ。

EP3のトレイラーがないことが逆に目立っているが
DS: 我々は数多くの理由から意図的にそのようにした。一つはエンディングの余韻を壊したくなかったことからによる。スタッフロールの次にアクション性の高いEp3のトレイラーが始まったら、同じような感覚は得られなかっただろうと思う。他の理由はEP3を改変の余地があるままにすることだった。我々はそのプロジェクトを何らか非常に野心的なものにするつもりでいる。過度の期待を持たせたくはないのだ。EP1に入っていたEP2のトレイラーを見ると、完成したゲームとの違いが顕著である部分がいくつかある。本当に開発中である製品のトレイラーを作ることの不自然な結果となっている。自分がどのような結果に行き着くのか、知りたくはないだろう。

Comments

まだコメントはありません。

Add Comments


:


:


:



TrackBack

Trackback URL :

まだトラックバックはありません

The Final Hours of Half-Life 2 Japanese

ARTICLE INFO

702130 (7D:3863 Y:570 T:387) [Mode] Since 2006-06-01
Copyright © 2003-2008 fov120.net Some Rights Reserved.
Powered by Nucleus