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EDGE: Gabeが語るLeft 4 Dead (08/11/21)

Gabe Newell Writes for Edge
Valve創設者であるGabe Newellは、最近リリースされた協力型一人称シューティングゲーム、Left 4 Deadについて、ゲーム内で展開されるほぼ無数のストーリーをシミュレートするため、どのように手続き上の物語的表現を使用するのか、また、各統計がどのように今後のゲームデザインを導くのかについて、Edge Onlineに寄稿している。

今週L4Dがリリースされ、これまでのところユーザの反応に大変満足している
プレイするたびに内容の変わる、一人称の四人プレイゲームを作ることを目指した。我々はストーリーをシミュレートするため、手続き上の物語的表現(procedural narrative)を使用することを欲した。なぜならば、このような多人数プレイの環境下において直線的でスクリプトで決められたアプローチでは、今までと同様のことは実現できないだろうと感じたからだ。

私はここで、ゲームプレイのデバイスであるストーリーを伝える方法(story-telling)として、どのように手続き上の物語的表現が動作するのか、L4Dを開発するに当たって我々が直面したいくつかの問題と、そこから学び取った今後の開発に役立つ貴重な経験について論じようと思う。

行動モデル
多人数ゲームでの物語的表現を実現する理論を編み出すため、我々は各プレイヤーの様々な挙動に注目を始めた。その名の通り、彼らはどのようにプレイし、どういった行動を起こし、どこへ移動するといったようなことだ。

我々は可能な限り、興味を引く彼らの行動を事細かに書き留めるよう努めた。彼らは集団行動をしているのか、あるいは単独行動をとっているのか。彼らはマウスを無駄にぎこちなく動かしていのか、あるいは正しくスムースに動かしているのか。彼らは緊張しているのか、あるいは落ち着いているのか。彼らはどれだけのダメージを受けているのか。彼らの射撃はどれだけ正確であるのか。

それから、そのデータの全てを使用し、我々はプレイヤーがゲーム内でどれだけうまくやっているのかを知るためのモデルを編み出す試みを行う。

そのデータは、プレイヤーが余裕を持っているのか、圧倒されつつあるのかを知ることが出来る。一度その概念を手に入れられれば、プレイヤーに応じたペース作りやイベントの発生に手をつけることが出来るようになる。

ペース作りとイベント
そのペース作りは、パズルの一番初めのピースとなる。4人全員のプレイヤーを監視すれば、危機に直面させ、その後引き戻すといったことが出来るようになる。彼らを思い通りのペースにさせ、適切なイベントを提供することが出来る。

イベントは彼らに物語的表現を感じさせる。我々は一連のイベントに注視し、彼らのどの行動が新たなイベントを発生させるのかの機会をうかがう。

もし彼らが特定の敵に苦戦していたのであれば、その後のエンカウントに使う判断材料として、その情報を利用する。

以上が、手続き上の物語的表現を、言うなれば、単なる難易度調整としてのメカニズムというよりも、よりストーリーを伝える方法としてのデバイスとして作り上げるやり方だ。

その物語的表現を成し遂げるためには、相反する部分に意図的な概念が必要となる。これは、ただ水準を引き上げるだけの難易度レベルとは、全く異なるものだ。

プレイヤーに与える信号、という点で言えば、難易度レベルとは、上下のある起伏とは正反対の、一定の水平な応答のようなものだ。我々はそれをほぼ、信号処理として捉える傾向にある。難易度レベルとは、「このレベルに引き上げ、そのまま継続するよう」といったものだ。これはあまり、人々に提供できる最も楽しませる体験とは言えない。彼らは自分で選んだ選択で本当に大きな反応が返ってくる、山と谷を期待している。

彼らは自分が起こした行動に直結する、必然的な成り行きを期待している。そしてさらには、それが信じるに値するものであることも必要だ。よって、彼らが何かしら上手いことをした場合、あるいは下手なことをしでかした場合に、それに対して大きく呼応した反応を欲する。ただ単により多くのモンスターを投げ与えるのではなく。

学ぶべきことは多い
我々はまさにスタート地点に立ったばかりである。共有できる手続き上の物語的表現だけではなく、ゲーム内であまねくストーリーを伝える方法までも見つけ出す必要があるからだ。

HL1からの開発者の一団として、我々にとって非常に興味を持ち続けてきたテーマの一つである。あの当時、我々はシューターというジャンルにひどく傾倒していたし、そこにはストーリーを伝えるより多くの余地があったと確信していた。一人称視点というものはストーリーを伝える機会に非常に恵まれていたし、だから我々は、どのゲームがストーリーを伝える媒体になれるのかについて、日々興味を抱き続けてきたのだ。

我々が現在試みているものは、あなたとあなたの友人がその一部に参加することの出来る、共有できるストーリーを作り上げることだ。ただ単に、一人きりでやりくりしていく体験なのではなく。

ゆくゆくは、何が使え、何が使えなかったかの我々が学び取ってきた物事のいくつかを、一人用、多人数用にかかわらず、確実に使うことになるだろう。

それはプレイヤーが蓄積してきた選択一式に応える、よりよい方法を我々に提供してくれる。我々は常に、あなたの行動をより多く記憶するゲームを欲してきたし、我々がL4Dで行っているもののいくつかは、プレイヤーの集団が何をしているかにより多くの注意を払うことに対しての反応だが、それは一人用ゲームでも簡単に適用することの出来るものだ。

我々が使う楽しみの理論の一つに、ゲームがプレイヤーの選択を判断し、それに様々な方法で応えれば応えるほど楽しさが増す、というものがある。例えば、何もない時に壁を撃つことは、何かしらが起こり、ほこりが舞い上がっている時に壁を撃つことほど楽しくはない。これは、何故あなたがゲームに注意を払いたいかの非常に単純化した一例だ。自己陶酔的な体験である。あなたは、プレイヤーが何をしているのかに注意を払うゲームを欲している。

開発の挑戦
このプロジェクトにおける技術的な挑戦について、何回か聞かれたことがあるし、確かにそこにはあった。だが、最も興味深い挑戦の一つは、構成(organization)についてである。

古くから、多くのゲームデザインはレベルデザインの部門で行われている。ジオメトリを作成し、エンティティを設置して、それらエンカウントのロジックを制御する。だからレベルデザイナーは、「あー、プレイヤーはこれをするだろうから、私はこれを彼の頭上に落とそう」といった体験を作るのに使用することの出来る、ツール一式に使い慣れていた。

ただ、より偶発的な手続き上のアプローチへ移行することで、彼らは武器を設置せず、モンスターを配置せず、そして出現するモンスターの数を制御することはなくなる。今まで調整し慣れてきたそれら単純なつまみは、そこには存在しない。

体験を司るディレクターという役職を、AIコードの大きな塊に手渡すことになった。それは彼らにとって、やりがいのある興味深いことだった。彼らが作った空間の中で、ゲーム内のディレクターが何かしら興味深いことを行うであろうことを実証せねばならない。彼らはより自由な制御を行うことが出来るようになった、ということだ。

そこには手続き上のアプローチをとることについて、カスタマイズ性という点において数多くの利点もある。我々はグラフィックをオフにしてゲーム単体で走らせ、出力結果をより統計的な手法を用いて解析出来るようになる。個々のプレイヤーのプレイを見るよりも、毎晩何万回ものゲームを走らせてグラフを調べることに時間を割くことが出来るようになる。

レベルデザイナーの手を離れ、プログラマへの責務が著しく増大する一方、それは確実に、ゲームプレイの大半に対して理論的で定量的な考え方へ移行することになる。

テストに次ぐテスト
だからといって、我々が人間を使ったプレイテストをなおざりにしているという印象は抱かせたくはない。自動化されたテストは安心をもたらせてくれるが、我々はそれでも人々の行動をチェックし、我々が作った定量的基準が実世界に合致したものだと確信したいのだ。

我々はこの類のものを数多く理論化している。つまり、実際にプレイヤーを監視し、彼らがどう反応するのかを調べたいということだ。我々は各プレイ理論をテストし、その理論が実際に正しいのか確実にしなければならない。理論モデルを実際のプレイヤーの目にさらすことは、ゲームのテスト部分において極度に重要な部分というわけだ。

将来的には、さらにそれを突き詰めたい。我々が本当に興味を持っている分野の一つに、プレイヤーの状態を生態観測するというものがある。

現時点では、ただ単にプレイヤーを監視するという、我々の目というフィルターを通さねばならず、そこから、どんな特定要素がプレイヤーに影響を与えているのか、予測せねばならない。しかし、脳電図(EEG)を使ってプレイヤーをつなぎ、ゲームに対する身体的反応を直接観測することのできる新技術がある。

何かしらのものが実際にプレイヤーを驚かせているということを、確実に知ることが出来る。心拍数が上がっているだとか、呼吸レベルが頂点に達しているとか、脳内の特定部が活性化しているということだ。我々が行っている物事に対するプレイヤーの覚醒状態や反応の直接測定は、極めて興奮の出来ることだ。我々が作ろうとしているプレイヤーのためのジェットコースターや、我々が行う決断を、ずっとよりよく分析的に調べることを可能にするだろう。

究極的には、統計がストーリーを左右した物語的表現を生成したりすることだが、それら全てが実際にゲームをプレイした人間や実世界をベースとしたものになる。

Comments

われもの on 2008-12-23 at 08:50:35

L4Dは持って無いが、興味深いな。(開発的な意味で)

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The Final Hours of Half-Life 2 Japanese

ARTICLE INFO

Date : 2008-11-24
Author : Kusa
News Category : 日本語参考訳 , インタビューやレビュー等 , Source Game , Left4Dead
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