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クラブ・ゼロ - The Final Hours of Half-Life 2 日本語訳

http://www.gamespot.com/features/6112889/p-2.html

 2004 年9月30日現在、Gabe Newellは天に目を向けている。「よし、次は何だ?」とNewellは天の神々に問いかける。Valveに対して、自然の力が次にどんな試練を企んでいるのか、声に出して問いただしたのだ。彼の頭には、どんな想像が渦巻いているのだろう。隕石がオフィスのビルを直撃。雷に打たれて即死。あるいは、とんでもないコンピュータ・ウイルスがネットワークに感染するとか。この1年半の間にValveがたどったローラー・コースターのような顛末を考えれば、まさにこれからNewellが言わんとしているセリフよりも、先の3つの方がありそうに思えるくらいだ。

 「日付に関しては正しかったね。年は間違っていたけど」
Newell は微笑みながら言った。ほう、Gabe。Half-Life 2が本当に完成に近づいていると、我々に信じてほしいわけ?Newellの笑みが広がり、振り返って天井からぶら下がった物をゆっくりと指差した。 Half-Life 2に出てくるスキャナーを象った紙張子のピニャータが吊るされ、割られるのを待っている(訳者注:pinata(ピニャータ):お菓子などを入れて天井から吊るす壷で、お祭りの余興で割る)。「今朝、これを吊るしたんだ」と得意そうに話すNewell。

 ちょうど前作Half-Lifeが完成した際に Headcrabのピニャータを叩き割ったように、Half-Life 2が量産のために送り出されたらすぐに、Newellはスキャナー型のピニャータに一撃を食らわす予定だ。OK。これで少しは信じられるようになったかもしれない。5年間におよび、4,000万ドルのお金がつぎ込まれたHalf-Life 2の開発という旅路が、あと数時間のうちに終わろうとしていることが。では本当にそうなるのか。あるいはNewellがドラマを盛り上げるのが上手いだけなのか。

 Half-Life 2が完成間近であることのさらなる証が、Newellが状況確認のために召集する「4時」ミーティングでも明らかになった。開発が始められて以来、このミーティングは2,000回以上開かれている。今日のミーティングが、最後に連なるひとつとなるかもしれない。

 今日のミーティングは、ホワイトボードに記された「クラブ・ゼロ」のメンバー表をレビューすることに終始した。プログラマーは、自分の担当分のバグを全て修正すると、クラブに入ることが出来る。多くのプログラマーは、既にクラブに入っていたが、数人が残されていた(担当部分について誰かが新たにバグを発見した場合は、クラブから除名される)。「誰かがクラブ・ゼロに加われば喝采し、除名となればブーイングさ」とJohn Guthrieは説明する。8年前、23歳の時にValveに加わった、若いひょろっとした姿のデザイナーだ。クラブ・ゼロへの加入率から計算すると、 Newellの予測では、今日か明日のうちにゲームが完成するかもしれないという。バグはほとんど残されていない。5年以上にわたる抑圧された状況も、ついに終局を迎えそうだった。

 しかし、ゲームはすぐに発売されるのか?この問題が、ずっとNewellを悩ませ続けている。Newell によれば、ゲームの販売会社Vivendi Universal Gamesは、ゲームの発売日についての情報をValveに明かすことを拒否しているような状態だという。なぜそんな事態に至ったかについては、それほど疑問の余地は無い。ValveとVivendiは、ゲームの販売と配給に関して、2年にわたる激烈な訴訟闘争を繰り広げているのだ。ゲームが完成しだい発売するのか、最大6ヶ月にわたって塩漬けにするのか、NewellにはVivendiの意図が判断つかなかった。Valveと販売会社の間には、残された愛着など無いのだ。

 訴訟、犯罪、遅れ、先行きの不透明さ。時には呪われているようにさえ思えた開発プロジェクトの最後の関門が、このVU との法廷闘争だ。
 「技術的側面、アーティスティックな側面、そしてゲームプレイを構築する側面。ゲーム開発それ自体が十分に困難な課題なんだ」
Newellは、ミーティング後に廊下をゆっくりと歩みながら語った。
 「だから、その上さらに別の問題で悩まされるのは、ちょっとキツすぎるね」
今回の場合、50以上のゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲得した前作Half-Lifeに恥じない続編を作らなければならないという強烈なプレッシャーさえ、 Valveの懸案事項の最初のひとつに過ぎないのだ。

 じっさい、繰り広げられたすべてのドラマは、あらかじめ予想できたものなのかもしれない。Half-Life 2は単なるゲームではないのだ。単なるゲームと呼ぶことは、大西洋を単なる水の塊と呼ぶことにも等しい。Newellは、Half-Life 2をエンジン、あるいはプラットフォーム、大げさに言うと業界全体を支えるものと見なしている。将来を見渡すと、エンジンのライセンシング、数百におよぶユーザーによるMOD、外伝的コンテンツ、続編、アドオン、エキスパンションなどが考えられる。そしてデジタル配信ネットワークSteamは、消費者のゲーム購入方法を永久に変革してしまうかもしれない。かつてNewellは、Puget Sound Journalに、Half-Life 2を3年間で1,500万個以上販売したいと語ったことがある。これは7億ドルの収入に値し、Grand Theft Auto:Vice CityとHaloを合わせた以上のヒット作としてHalf-Life 2を位置づけることになる数字だ。

 Half-Life 2は、じっさいにそのような存在になれるかもしれない。すごい成功を収め、変革の要因となり、ゲームが次に歩む方向性の道標となることが。だが、鮮やかなグラフィックスと肉感的なFPSのゲームプレイの裏には、この野心的なゲームを生み出そうとした者達の物語が秘められている。Valve従業員84人にとって、5年に及ぶHalf-Life 2開発の旅は、困難で時に苦痛に満ちており、各メンバーのプロジェクトに対する献身を量る航海だった。

 そしてここに初めて、Valveはその旅路について詳細を明かそうとしている。質問内容についての制限は無し。発売延期、コード盗難、Vivendiとの訴訟問題に至るまで、じっさいには何が起こっていたのかValveから直接聞くことが出来るのだ。さらに、これまで公けにはなってこなかった内部的な苦闘についても。つまるところ、これは犠牲に関する物語だ。Newellが史上最高のFPSと信じるゲームを生み出すために、5年間にわたって他の全てを投げ出した84名の情熱的なゲーマー達の物語なのだ。

 Half-Life 2製作の舞台裏の物語が、ここに。

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The Final Hours of Half-Life 2 Japanese

ARTICLE INFO

Date : 2005-05-15
Author : fov120
News Category : HL2 content
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