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考えられない犯罪 - The Final Hours of Half-Life 2 日本語訳

http://www.gamespot.com/features/6112889/p-18.html

 事の始まりは、2003年9月のある日。NewellのPCのハードディスクのアクセスランプが、妙なタイミングで光りはじめた。ハードディスクをフォーマットし直し、ウィルス・スキャンを掛けても問題は改善しない。そこで、他にPCに問題が出ている者がいないか、チェックのためのe-mailを出した。
 「おかしな現象が起きている人いない?」
とスタッフに問いかけたのだ。だが、手を上げる者はいなかった。

 そして、もっと妙な事件が発生する。NewellとDave Riller(Valveのプログラマー)の間でやり取りされたe-mail内容が、インターネット上に公開されたのだ。メール内容自体は、 Counter-Strikeに関する他愛の無いものだった。 「"Doom3エンジンは、とっても見栄えが良いね" と言ったのは自分じゃないよ」というNewellのジョーク。だがそもそも、メールがネット上に公開されるなどという事態が、どうして発生したのか? Newellはメール相手の Rillerの所に赴き、メールを誰かに転送したかと尋ねたが、答えはNoだった。
 「唐突に、沈み込んでいくような感覚に襲われたよ」
誰かにメールのパスワードがバレたのではと心配になり、すぐに変更を行った。これで問題解決? そんなことはなかった。
 「振り返って考えると、もう喉を裂かれた状態なっていることに気付かず、必死にスリ傷を探しているようなものだったね」

 状況を詳細に調べ、Newellは恐るべき結論に達する。
「俺たちゃファックされてる」(原文:We were f***ed. fucked:めちゃくちゃにされる と Hacked:ハッキングされるを掛けていると思われる)
Newell のマシンには、妙なソフトがインストールされており、ハードディスクには隠しパーティションも作られていた。Valveのサーバのネットワーク利用状況も、異様なピーク値を示していた。他のコンピュータも調べ、少なくとも13台に同じソフトがインストールされていることが判明した。Valveのセキュリティは無効化されていたのだ。Newellはオフィスを走り回り、インターネットへの接続を切断するよう触れ回った。そして回線を壁から引き抜き、PCをシャットダウンしてValveと外界とを遮断した。

 だが、対応は遅きに逸した。コードを盗んだハッカーは、接続が遮断されたことに気付くと、Valveのネットワークから盗んだ内容をインターネットに流し始めたのだ。10月4日、最初の爆弾が投下された。Half-Life 2の全てのコードがリリースされたのだ。Newellは激怒したが、これでハッカーの計略が終わったのかどうかは判然としなかった。
 「どうやっていたぶるつもりか、宣言を受けたわけではなかったし」

 コードのリークは、"オサマ・ビン・リーカー(Osama Bin Leaker)"を名乗るハッカーの最初の一撃に過ぎなかった(このハッカーは"Axel G"という21歳のドイツ人であることが、後に判明した)。コードのリークから3日後の10月7日、2発目の爆弾が投下された。2003年E3デモの内容を含む、ゲームのプレイ可能なバージョンがリリースされたのだ。Newellには、どう考えてよいか分からなかった。最悪の部分は過ぎたのか? Newellは語る
 「日毎に状況が悪化していくように思えたよ。まずコード、次にゲーム本体。そしてみんながゲームを使って、Dr.KleinerがAlyxにオーラルセックスをしているスクリーンショットを撮りはじめる。ほんと、最悪の悪夢が現実化したようなものだった」

 ゲームが盗まれ、インターネットにリリースされたことは、Valveに壊滅的な打撃を与えた。だが、その後のショックの方がさらにひどかった。発売予定の 11日前である9月19日時点での、ゲームの開発状況が露わになってしまったのだ。リークに伴うノートに、オサマ・ビン・リーカーはこう記していた:
 「これがValveが2003/09/30にリリースすると言っていた、みんなが望んだゲームの実態だ」
そしてさらに、ツボを突いた最後の言葉:
 「E3デモは、Valveのひどいフェイクだったのさ」

 何ヶ月もの間、Newellはゲームの開発状況について明らかにしていなかった。そして、その報いを受ける時が来た。ゲームそのものが実情を語ったのだ。不法なリーク版を手にした人達は、ゲームが完成にはほど遠い状態であることを知った。リーク版がValveの開発状況を完全に反映したものかどうかは定かではなかったが、一部の無神経なファンは、コード盗難を慰み物にした。ファンに嘘をついたValveは当然の報いを受けたのだ、と主張したのだ。

 陰謀説がインターネットを徘徊しはじめた。ファンによっては、さらに一歩進んだ説を唱えていた。

 Valve はコードを意図的にリークすることによって、時間を稼ぎ、遅れから注意を逸らそうとしたのだ、というのだ(これはもちろん真実ではない)。だがやはり、リリース予定の9月30日から数日の間にゲームがリークされたのは奇妙な符合に見える。ハッカーは、9月30日リリースというValveの嘘を暴くためにコードをリリースしたと主張したが、Newellによると、これは「真っ赤な大嘘」だ。
 「ハッカーがコードをリークしたのは、リリース日の約束のせいじゃない。ハッキングが発見されたから、先回りして持っているものをリークしたのさ。でたらめな言い訳だったんだよ」

 ダメージは甚大だった。これまでも紆余曲折だったプロジェクトに対して、コード盗難がどのような影響を及ぼすのか、はっきりと分かる人間はいなかった。この考えられない犯罪によって、ゲームは頓挫してしまうのか?Newellには、事件のインパクトを推し量ることもできなかった。さらに悪いことに、未完成の成果物が何百万人もの目にさらされたことによって、4年以上も休み無くゲームに取り組んできたチームメンバー達は、完全に参っていた。

 ある若いデザイナーが、Newellのオフィスにやって来て心配をぶちまけた。
 「Gabe、これで会社は潰れるの?」

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The Final Hours of Half-Life 2 Japanese

ARTICLE INFO

Date : 2005-05-15
Author : fov120
News Category : HL2 content
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